泡が抜けても飲みたい泡!?巨星ジャック・セロス
美味しいシャンパーニュといえば何を思い浮かべますか?
ドン・ペリニヨン、ヴーヴ・クリコ、クリュッグ等の
グランメゾンを思い浮かべる人もいれば、
ジャック・セロスなどRM(レコルタン・マニピュラン)を
思い浮かべる人もいるかも知れません。
-- レコルタン・マニピュランとは? ---------------------------------
葡萄生産者元詰とも言い、
自前の畑でブドウを生産してワインの醸造を行う事を指します。
これに対し大手のシャンパーニュの様なNM(ネゴシアン・マニピュラン)
の場合は 契約した農家からブドウを買い取りワインの醸造のみを行っています。
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本日の1本はコチラ

ジャック・セロス・ブリュット・イニシャル (ブラン・ド・ブラン)
ジャック・セロスは「レコルタン・マニピュランの巨星」とも呼ばれ、
あまりの人気と平均年産僅か4,000ケースという稀少性から
数年であっという間に価格が高騰してしまった人気のシャンパーニュ生産者。
ビオディナミ(自然有機農法)やソレラ方式を採用し、
独創的で芸術的なシャンパーニュを作り上げています。
ノムリエも初めて飲んだ時、ひと口含んだだけで口の中が
これでもか!というくらいブリオッシュのような熟成香で満たされ、
「今まで飲んでいた泡は一体何だったんだ?」と本当に驚かされました。
「また飲みたいなぁ。」と思うシャンパーニュは数あれど、
「翌日も飲みたい!」と思わせる泡は滅多にありません。
ジャック・セロスの場合は正に後者であり、泡の抜けてしまった
翌日も極上の白ワインとして楽しめて、二度美味しいという優れもの!
(ノムリエの場合、即日飲みきってしまう場合が殆どなんですけどね。。。)
「甘くて飲めない。」とシャンパンが苦手な方、或いはシャンパンを
「女性が飲む酒。」と思い込んでいるお酒好きの方には是非お試し頂きたい1本ですね。
あまりに特徴的な味わいなので、好みは分かれるかも知れませんが・・・。
-- ブリオッシュとは? -----------------------------------------
バター、卵、牛乳をたっぷり使った香ばしい菓子パン。
マリー・アントワネットが「パンが無ければお菓子を食べれば」
と言ったとされるお菓子とはブリオッシュの事。
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ところで、最近よく耳にするビオディナミに代表される有機農法ワインですが、
分かりやすく分類すると以下の様になっています。
・ビオ・ロジック
ボルドー液、硫黄散布は使用するが、農薬、化学肥料は使用しない。
・リュット・レゾネ
「減農薬法」と呼ばれ、農薬、化学肥料は極力使用しない。
・ビオ・ディナミ
農薬、化学肥料は使用しない。プレパラシオンと呼ばれる
調合剤(牛の角に牛糞を詰めたもの等)を使用する。
で、どれが旨いワインなのか?
という事が消費者としては一番重要な所だと思いますが、
結論としては、どの有機農法が素晴らしいという事ではなく、
それぞれ、良い生産者もいれば悪い生産者もいると言う事になります。
ジャック・セロスやロマネ・コンティが有機農法を取り入れているからといって
有機農法のワインなら必ず旨いという事ではありません。
当たり前といえば、当たり前ですが・・・。
で、ビオ・ワインって、どーなの?
って事を考える時にノムリエがいつも思い出すのは、
漫画「美味しんぼ」の初卵(ういらん)の事です。
初卵とは雌鳥が生後初めて産む卵の事で、
栄養価が高いとされ、古くから珍重されてきました。
ノムリエは初卵を味わった事が無く、また栄養学は専門ではないので
真偽の程は分かりませんが、「美味しんぼ」の内容にもある様に、
初卵自体に価値があるのでは無く、初卵を取り上げられるという
品質管理の高さこそに、価値があると言えます。
なので同じ、モノ造りという意味では、鶏卵もワインも料理も
これで完璧という方法論は無く、モノをつぶさに観察し、如何に手間を惜しまないか
という事が重要なのだなぁと考えたりしています。
レシピがあれば、必ず旨い料理が造れるというものではありませんものね(笑)
-- P.S ------------------------------------------------------------
先日、3月11日に東日本を襲った大地震に関して、当ブログにコメントを頂きましたが、
大変恐縮ではございますが割愛させて頂く事に致しました。
幸い、ノムリエ自身や家族、友人など周りに被災した方はおりませんでしたが、
然したる情報も無いままに軽率なコメントをする事を差し控えたいと思ったからです。
それよりも、これからの生活の中で東北の海産物を利用していく事で、
多大な打撃を受けた漁業業界が復興していく支えになればと考えています。
震災や津波の悲劇的な映像は、我々の頭の中で徐々に風化していってしまいますが、
被災した方々の生活はこれからも続いていくのですから・・・。
(今後もノムリエの判断により地震関連のコメントは
割愛させて頂く場合が御座います。予めご了承下さい。)
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tag : シャンパーニュ シャンパン 辛口 泡 ジャック・セロス ブリオッシュ ビオワイン ビオロジック リュットレゾネ ビオディナミ
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No title
多くの人は、有機栽培の野菜はおいしいと思っているけれど、同じ条件で育てた場合、農薬を使った野菜と比べて、特別栄養価が高いとかおいしいってことはないのだそうです。(byイギリス政府)
ただ、無農薬・有機に努力している人は、それだけ丁寧に野菜を作っている人が多いので、結果、おいしくなるみたいです。(農薬使ってると丁寧ではないってことではありませんが)
食べる方もありがたい感じがしますしね。
でも未熟な有機栽培は、やはり問題があったり、実はあんまりおいしくないこともあるし、食ってムズカシーなーって思います。
ちなみに私は、ワイン、あんまりこだわってません、、、というか、まだ無農薬・有機ブドウのおいしいワインに出会ってないのです。
今度、おすすめ、試してみたいです。(タイで手に入るかなぁ~?)
Re: No title
食って難しい。おっしゃる通りですね。
本来の価値(味わい)は定量化する事が難しいですし、有機も
野菜だと例えば堆肥はどう???となりますし、ワインだとコルクや樽はどう???
という具合に有機の定義自体が曖昧になりますしね。
消費者が満足する為の情報提供がしっかりされているかと、
それが付加価値として値段に見合うかという事なのでしょうね。
ほかに自然派ワインでオススメは、ラピエールとかマルセル・ダイスかなぁ☆
(タイで流通しているかわかりませんが・・・)